第145章

林田知音の笑みが、すっと薄れた。彼女は斉藤雛をちらりと見る。

「もう、斉藤。そんな話してどうするの。できちゃった婚なんて今どき珍しくもないでしょ? ほら、隣のクラスの……誰だっけ、結婚式のときお腹大きかった子いたじゃん。あの子だって堂々としてて、幸せそうだったし」

「そういえばさ、ちょっと前にネットで見かけたんだけど……あなたの旦那さん、あんまり良くない噂が出てたよね。若くて有能で、しかもイケメンの名門の御曹司って、外で寄ってくる女も多そうじゃない? 林田知音、実際どうなの。近づいてくるの、いた?」

ただの世間話みたいな口ぶり。けれど林田知音にはわかった。斉藤雛は、自分の事情をかなり知...

ログインして続きを読む