第37章
「その言葉、要するに……これ以上、私に借りを作りたくないってことだよね」
「そうだ」
林田知音は否定しなかった。
「でもさ、林田知音。俺は君に借りを作ってほしいんだ。返したくても返しきれないくらいに」
「……趣味悪い」
林田知音はちらりと彼を見やり、身を起こしかけた。けれど、その手首をまた日野成謙に掴まれる。
「俺は我慢できる。だから、その代わり、もらうものはちゃんともらう」
彼女がまだ意味を飲み込めずにいるうちに、日野成謙が言った。
「キスして」
「……」
「知音……キスして」
「日野成謙、ほんと呆れる! なんでそんなにキスしたがるの!」
日野成謙は彼女の腰を抱き寄...
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