第44章

林田知音の目もまた、怒りで真っ赤に染まっていた。

「私が浮気したのが憎いんでしょう。殺してしまいたいくらいに。だったら、あなたはどうなの? どうして自分だけは許せるの? どうして他人にはそんなに厳しいの?」

「俺は男だからだ」

「……」

「男は、生まれつき女より上だ」

目黒雲月は、侮蔑を込めた目で彼女を一瞥した。

林田知音はその場に座ったまま、どれほど時間をかけたのか、自分でもわからないほど長く息を整えようとしていた。

本当にどうかしていた。

こんな最低の男を、好きになってしまうなんて。

腹立たしさに涙が次々とあふれ、彼女は乱暴に目元をぬぐった。

深く息を吸う。無理やり冷...

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