第58章

「……で、先輩。今日は本当にありがとうございました。ぐっと堪えて、何も言わずにいてくれて」

「ん? あたしがどれだけ我慢してたか、わかってたの?」

「もちろんです。先輩ってそういう人じゃないですか。だからこそ、今日は一緒にいてくれたうえで、私の代わりに前に出なかったこと……すごく感謝してます」

「知音も大人になったってことね。バークレーにいたころみたいに、目立ちたがりで、ちょっとおバカで、人気者に押されると何も言えなくなる後輩ちゃんじゃない。なら、もうあたしが庇ってやる必要もないか」

林田知音は木下実初の皿にもひと箸の料理をのせた。

「えへへ」

「それで、目黒らいは……本当に目黒...

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