第64章

「日野成謙が急かしてきたんだって?」と木下実初が眉をひそめる。「日野殿、あんた粘着質すぎない? だって彼女、午前中にそっちから引っ越してきたばっかでしょ」

実初は内心うんざりしていた。林田知音がこちらへ来たとき、服はきっちり身を包むように着込んでいたのに――それでも、昨夜の名残は完全には隠しきれていなかった。

実初は一目で気づいた。

つまり、昨日ふたりが一緒にいたのは確実で。まだ、どれだけ時間が経ったというのか。

「言わないなら、こっちから行く」

日野成謙はそう言い捨てて通話を切った。服を掴んで出かけようとした、その瞬間。

今度はビデオ通話がかかってくる。

出ると、画面の向こう...

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