第66章

好奇心に駆られ、彼女は外へ出た。ラウンジとは反対側の回廊に立てば、二階からでも階下のオークション会場の熱気がはっきり見渡せる。

ちょうどいま競りにかけられているのは、近現代の著名画家による一枚だった。

木下実初の家も名の通った家柄だ。芸術的価値のある品は、欲しいと思ってもそう簡単には巡ってこない。木下実初が狙う以上、きっと彼女なりの使い道があるのだろう。

数日前、木下実初は予算が六千万だと言っていた。

近現代の有名画家とはいえ、代表作というほどではない作品に六千万。相場としては十分に上限に近い。

だが、司会者の槌の音が響くたび、いまや値は七千万に到達していた。

「七千万、一回……...

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