第70章

「本日のチャリティーオークションは、もともと父と志を同じくする友人たちが慈善のために開いたものです。困難の中にいる多くの人に、もう一度立ち上がってほしい――そのために」

「林田さんのおかげで、苦境にいるのは身体に障がいを抱えた方だけじゃないと気づけました。むしろ多いのは、身体は健やかなのに心が欠けている人たちかもしれない」

織田侶生はそこまで言って、慌てて付け足す。

「誤解しないでください。林田さんのことを言ってるわけじゃありません」

「……林田さんじゃない? じゃあ織田家の若様は、誰を皮肉ってるの?」

元から堪え性のない野呂雨芽が、林田知音をかばう者が出てきたのを見て鼻を鳴らした...

ログインして続きを読む