第74章

林田知音は問い詰められて、少しばかり居心地が悪くなった。だが日野成謙は、彼女の腹の内など一目で見抜いている。

「やっぱりさ。俺のこと、都合のいい相手くらいにしか思ってないんだろ」

――違うって言えるの?

「いいよ、林田知音。前はそう思ってたとして……今は?」

「今……?」

知音は戸惑いを隠せないまま首を傾げた。

「よく分からない。日野成謙、もっと分かるように言ってくれない?」

「俺は三十時間以上、寝てない。それでもオークションに行って……十億突っ込んで、お前を笑わせようとしたんだ」

「……」

「それで『ただの相手』扱いなら、知音って相当お高いよな」

腹の底に燻っていた苛立...

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