第83章

「目黒雲月……ちょうど探してたところよ!」

林田知音がわずかに息をのむ。その間に、犯人は電話をつないでいた。

「林田知音、どこ行った? 話がある」

続いて、犯人は目黒雲月へ向けて一気にまくしたてる。

「目黒雲月。お前の元妻はこっちで預かってる。あの炭鉱事故で大勢が死んだってのに、お前は雲隠れして逃げた。残された家族は地獄だ。いいか、十二時間以内に十億を用意しろ。できなきゃ――元妻の遺体を引き取る準備でもしてろ。……ああ、それと息子もな」

言い捨てるようにして、通話は切れた。

犯人は車を降りる。林田知音は状況が飲み込めないまま、窓越しに園の門を見た。

――嘘。

織田先生が、目黒...

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