第98章

砕けた喘ぎの合間に蘇るのは、怒りとやるせなさが滲んだ彼の詰問だった。

「よくもまあ、林田知音。俺のこと、ただのセフレ扱いってわけ?」

セフレ……。

林田知音は自嘲する。彼の想いに少しでも報いたかっただけなのに、これ以上は借りを増やしたくなかった。

日野成謙、日野成謙……。

「ママ、どうしたの? ぼーっとしてるよ。ページめくらなきゃ!」目黒らいに急かされ、林田知音はようやく我に返って、絵本の続きを読み聞かせた。

……けれど、心はもう遠くへ流れていた。

「俺は、お前の心に俺がいるって思ってた」

「……」

「なのに、お前は目黒雲月の名前を呼んだ」

夢で目黒雲月を見た。けれど、そ...

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