第107章 彼の心の声

古川静弘がもう一通送ろうとした、そのときだった。羽鳥秋葉のほうから先にメッセージが届く。

「もう休むね。用があるなら明日で」

短い一言で会話は打ち切られた。これ以上、古川静弘とやり取りする気がない――そんな温度が、文面から滲んでいる。

古川静弘の胸の奥に、むっとした重さが沈んだ。だが、これ以上言えることもない。結局「わかった」とだけ返す。

説明する機会があるはずだ。そう思っていたのに、羽鳥秋葉はまるで彼の時間を読んでいるかのように、いつもすれ違った。あるいは古川静弘が須藤篠華からの電話で呼び出され、またすれ違う。すれ違い、すれ違い――その繰り返し。

結局、式の前夜まで、家で彼女を捕...

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