第111章 離婚協議書

古川静弘は顔を曇らせ、冷えた声で言った。

「証拠も何もないだろ。あいつに、そんなことをする理由がない。母さんもわかってるはずだ」

古川母は困ったように息をつく。

「ええ、もちろんよ。でも警察はそうじゃないの!」

彼女だって羽鳥秋葉がそんな人間じゃないと信じている。秋葉はいま離婚のことばかり考えている。こんな局面で騒ぎを起こす必要など、どこにもない。

古川静弘はゆっくりと熱を冷まし、母を見て低く問う。

「今、あいつはどこだ。警察か?」

古川母は小さくうなずいた。

「私もはっきりは……たぶん、そう」

古川静弘の目が危うく細まる。

「通報したのは誰だ」

ついさっきまでの出来事...

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