第121章 洗い出す

古川静弘は屋敷に足を踏み入れても、怒りが鎮まるどころか、胸の奥に長年澱のように溜め込んできた苛立ちと荒んだ衝動を――あの花が掘り返されたことを引き金に、根こそぎひっくり返した。

寝室には戻らない。まっすぐリビングの本革ソファへ沈み、指先で眉間をつまむ。まとわりつく低い気配が、屋敷そのものを押し潰しそうだった。

安さんは声をかけることすらできず、俯いたまま脇に立つ。息も、できるだけ小さく。

「家にいる、須藤篠華がこの数年で連れてきた使用人、運転手、庭師――全員、給与を精算して明日で出ていけ」

古川静弘の声は低く、氷みたいに硬い。取りつく島もない。

「今後、この家に、あいつが連れ込んだ...

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