第143章 須藤篠華の目論見

温水言の言葉は、冷水を頭から浴びせられたみたいに、古川静弘の長く濁っていた胸の奥へ容赦なく落ちた。

意識して見ないふりをしてきた考えが、一瞬で叩き割られる。

ようやく彼は、自分の滑稽さを直視した。自分の手で壊してしまったものすべてを、直視した。

「……わかった」

低い声。いままでになかった疲労と、いままでになかった冴えが滲んでいる。

「片づけるべきことは、全部きれいに片づける」

温水言は、彼の瞳の奥にかかっていた靄が少しずつ晴れ、代わりに沈痛さと悔恨が沈んでいくのを見て、ようやく言葉が届いたのだと悟った。

それ以上は言わない。問い詰めもしない。追い立てもせず、ただ小さく頷く。

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