第15章 妊娠した!

アパートの中は、真っ暗だった。

羽鳥秋葉は灯りもつけず、ヒールを蹴り飛ばし、ひんやり冷えた床に足を下ろす。

疲れがどっと押し寄せ、帰るなりソファへ崩れ落ちた。こめかみを押さえる。

頭が痛い。胃の奥が、きりきりとねじれる。

古川静弘が、あの王冠を「君にやる」と言ったとき――確かに、秋葉は言葉を失った。

呆然のあと、胸のどこかが、見知らぬ熱でじんわり濡れた。

結婚して三年。古川静弘が「贈り物をする」と口にしたのは、初めてだった。

あまりに慣れないものだから、しばらく現実感が追いつかなかった。

これは、彼なりの謝罪なのだ。そう思った。

けれど、その感動は長くは続かない。

須藤篠華...

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