第31章 保護

二人の言葉の応酬で、車内の空気はいっそう硬くなった。

古川静弘は気まずそうに、こほん、と何度か咳をする。唇を結んだまま、それ以上は何も言わない。

羽鳥秋葉も、もう刺す気になれず、窓の外へ視線を投げた。夜景が流れるように後ろへ飛んでいく。なのに頭の中には、さっき病室を出る直前、医師が彼女にだけこっそり告げた言葉が、しつこく残っていた。

少し迷ってから、秋葉は結局、静弘に伝えることにした。

「さっき先生が言ってたの。お義母さん、今回は助かったけど……心臓の状態が思ったより不安定なんだって。こっちの医療でも現状維持はできるけど、もっとしっかりコントロールして療養するなら、できるだけ早くスイ...

ログインして続きを読む