第32章 彼の治療を手伝う

  もうこんな時間で、安さんまでとっくに寝てしまっている。

  安さんもいい歳だ。今さら叩き起こすのはさすがに人道的じゃない。

  それに――古川静弘は玄関に、ひどくみすぼらしい格好で立っていた。見た目からして、どう考えても誰かの手が要る。

  羽鳥秋葉は観念したように、ふうっと息を吐く。

  「……自分でできるの?」

  古川静弘は左腕をわずかに持ち上げようとして、眉間をきゅっと寄せた。引っ張られたのだろう、右腕の傷までずきりと痛んだらしい。

  「俺がひとりでできそうに見える?」

  彼は肩をすくめるように言う。

  「背中にもガラスが残ってる気がするんだよ。自分じゃ見え...

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