第41章 抱きしめる

羽鳥秋葉もちょうど空腹だった。スマホをしまい、社員用エレベーターのほうからそのまま下へ降りる。

中には若手社員が何人かいて、楽しげに話していた。けれど彼女が乗り込んだ瞬間、ぴたりと会話が止まった。

黙るだけならまだしも、彼女たちは視線だけでひそひそとやり取りしている。妙に落ち着かない空気。

羽鳥秋葉はエレベーターの隅に立ちながら、じわりと居たたまれなさを覚えた。

階数ボタンを押し、わざと奥へ寄る。存在感をできるだけ消して、表示パネルの数字だけを見つめた。

エレベーターは10階で一度止まり、さらに二人が乗り込んでくる。

二人は彼女の存在に気づきもしない。笑い声をこぼしながら、当たり...

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