第48章 争い

羽鳥秋葉は、自分がいま目にしている光景をどう受け止めればいいのか、うまく言葉にできなかった。

無理にたとえるなら――冬の真っ只中、頭から氷水をぶちまけられたうえで、目の前で十数発も平手打ちを食らわされたような感覚。

だからだろう。十数秒が過ぎても彼女はドアを押し開けた姿勢のまま、玄関口に凍りついていた。

入ってきた気配に気づいた古川静弘が顔を上げ、相手が羽鳥秋葉だとわかった瞬間、彼もまた固まる。次の刹那、抱き寄せていた須藤篠華を慌てて押しのけた。

「秋葉――」

羽鳥秋葉はドアノブから手を離し、一歩だけ後ろへ下がる。

「お邪魔しました」と彼女は淡々と言った。「続けて」

踵を返して...

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