第62章 買って買って買いまくる

「痛かったか?」

古川静弘がふっと手を止めた。

「少しだけ」

「我慢しろ。すぐ終わる」

消毒液を塗り終えると、今度は抗炎症の軟膏を取り出し、傷口に薄く丁寧にのばしていく。

羽鳥秋葉は、そんな彼の横顔をじっと見つめた。わずかに寄った眉。真剣そのものの眼差し。その奥で、かすかな光が揺れているようにも見える。

いつからだろう。

古川静弘は、彼女のことを気にかけるようになっていた。

けれど――だから何だというのだろう。

来月には彼は須藤篠華と結婚する。

薬を塗り終えると、古川静弘は救急箱を片づけ、それから口を開いた。

「もうあいつらと一人で会うな」

羽鳥秋葉は皮肉っぽく笑った...

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