第64章 俺を追い詰めるな!

須藤篠華は、ほとんど力ずくでリビングから引きずり出された。

「静弘! 痛いってば!」

必死に抵抗しても、古川静弘は手を緩めない。そのまま庭まで引っ張り、ようやく足を止めた。

「いったい何がしたいんだ」

彼は乱暴に手を放った。声の奥に、押し殺した怒りが濃く滲んでいる。

須藤篠華は赤くなった手首をさすり、次の瞬間には目の縁が熱くなった。

「何がしたいって? こっちが聞きたいよ! 古川静弘、私と約束したこと……まだ生きてるの?」

「約束?」

「とぼけないで!」

ぽろり、と涙が落ちる。

「病院で、あなたが自分の口で言った。来月、羽鳥秋葉と離婚して……私と結婚するって!」

「もう...

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