第67章 つわり

羽鳥秋葉は古川母に付き添って、庭でしばらく腰を落ち着けていた。夕暮れどき、安さんが出てきて「お夕飯の支度が整いましたよ」と声をかける。

二人で屋内へ戻ると、食卓には十数品もの料理がずらりと並んでいた。薄味のものが多いが、古川社長が帰宅して食べるかもしれないと、安さんはやや味の濃いものも二品だけ用意している。

席に着いた、そのとき。

玄関の扉が開く音がした。

古川静弘が帰ってきたのだ。

ダイニングに入ってきた彼は、顔にわずかな疲れを滲ませていた。羽鳥秋葉と母親の姿を見つけると、小さくうなずく。

「母さん、秋葉」

「お帰り」古川母が言った。「ちょうどよかったわ。一緒に食べましょう」...

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