第70章 なぜ俺を見ようとしないの?

古川静弘は目を揺らした。意外――それ以上に、信じられないという顔。

彼は羽鳥秋葉の手首をきつく掴み、そのままぐいっと引き寄せる。抵抗する隙もなく、胸の中へ。腕が回り、抱きしめられた。

「放して!」

秋葉がもがく。

「秋葉」

低い声。何かを必死に押し殺しているみたいな響きだった。

「……どうしてあいつが嫌いなんだ?」

片腕は腰を逃がさないように回され、もう片方の手が顎へ伸びる。指先で持ち上げられ、無理やり視線を合わせられた。

「俺を見ろ、秋葉。……なぜだ?」

目の前の顔。若くて整っていて、濃い眉。高い鼻梁。薄い唇のせいで冷たく見えるのに、目だけが不自然なほど綺麗で、刃のような...

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