第72章 自分で歩くか、それとも俺が抱くか?

夜、羽鳥秋葉が邸宅に戻ったのは7時を少し回った頃だった。

玄関をくぐるなり、安さんがにこにこと駆け寄ってくる。

「奥さま、お帰りなさいませ。このところ食欲があまりないようでしたので、旦那さまにお話して、少しお味を変えてみたんです。よろしければ召し上がってみてくださいませ」

秋葉はもう、空腹で胸と背中がくっつきそうだった。最近は腹の減りがやたら早い。しかも、空腹を放っておくと胃の奥がぐるぐると掻き回されるように気持ち悪くなって、今にも吐きそうになる。

ダイニングから漂ってくる、甘酸っぱい香り。思わずごくりと唾を飲み込んだ。

手を洗って戻ると、テーブルの上は見違えるほど様変わりしていた...

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