第78章 疑念

茶室を出たあと、羽鳥秋葉の瞳に疑念がよぎった。坂東和人の言動の端々が、どうにも引っかかる。

そもそも「二人で会って話したい」と言い出したのは彼のほうなのに、いざデザインの話になれば上の空。場所だって妙だった。古川静弘に誤解されたくない、という建前はわかる。だが、そこで「たまたま」別の人間が現れて、彼女と打ち合わせを引き継ぐ――そんな都合のいい偶然があるものか。

極めつけは、あのスカーフ。あれも最初から用意していたに決まっている。

ここまで揃っていて、仕込みじゃないと言われても信じられない。

要するに――坂東和人は、確実におかしい。

「こはる、坂東さんの件、ここから先はあなたが窓口に...

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