第85章 須藤篠華の思惑

「わかりました」

須藤篠華は医師にひととおり注意され、気まずそうに視線を落として返事をした。

その様子を見た古川静弘も胸が痛み、うなずきながら言う。

「すみません。気をつけます。入院は必要ですか?」

医師は須藤篠華の検査結果に目を通し、ゆっくり口を開いた。

「ええ。入院して経過を見ましょう。ご自宅だと、また指示を守らずに悪化させる恐れがありますから。そうなると厄介です」

古川静弘は迷いなくうなずく。

「わかりました。入院でお願いします」

医師が出ていくと、古川静弘は須藤篠華のほうへ向き直った。

「安心して入院して。会社のほうは、君が抱えてる案件を引き継がせる。心配しなくてい...

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