第89章 事態悪化

古川母は羽鳥秋葉を見つめたまま、何も言えずにいた。秋葉は俯いて、ぽろぽろと涙を落としている。その姿に胸が締めつけられ、古川母は思わず歩み寄って肩に手を置く。

「秋葉、泣かないで。あの子が悪いんだから。私がきっちり言ってやるわ」

古川母は本気で、羽鳥秋葉を自分の子どものように可愛がってきた。けれどこの二人の関係は、あまりにもこじれている。

片方は実の息子。もう片方は自分が気に入っている息子の嫁。どちらにも言葉をかけなければならないのが、苦しい。

羽鳥秋葉は首を横に振り、古川母を見上げた。胸の奥にしまっていた考えを、いま言うべきだと決めたように。

「お義母さん……もし、最後に私たちが離...

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