第90章 彼と離婚する

「先にここで休んでて。詳しいこと、ちょっと聞いてくるから」

古川静弘は須藤篠華の身体を支え、ベッドへ横にならせた。付き添いの介助員を呼んで彼女のそばにつけると、そのまま病室を出ていく。

――だが、彼が出た途端。

さっきまで血の気のなかった須藤篠華の顔に、ふっと生気が戻った。枕元のスマホを手に取り、何かを打ち込んで送っている。先ほどの弱々しさなど、どこにもない。

ひと通り済ませてから、彼女は横にいる介助員へ視線を投げた。介助員は俯いたまま、黙っている。

須藤篠華は冷えた目で言い放つ。

「言ったこと、覚えてるよね。言うべきことと、言っちゃいけないこと」

介助員は慌てて何度も頷いた。...

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