第96章 離婚したいのか

古川の母は、もともと須藤篠華を歓迎していなかった。だが以前、彼女が古川静弘のせいで怪我を負ったと知ってから、態度を改めたのだ。

そこへさらに、静弘の口から「篠華は長くない」と聞かされている。敵意など、持ちようがなかった。

なにしろ彼女は、息子のために傷を負った女だ。

もし最期に本当に死ねば、世間では「古川静弘のために死んだ」と面白おかしく語られるだろう。そうなれば、静弘は否応なく噂の的になる。母として、それだけは避けたかった。

だからこそ、生きているうちは――息子の足を引っ張るような真似はできない。

「おばさん、静弘に会いに来たんですけど……家にいますか?」

須藤篠華はそう言いな...

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