第9章

 拓海はコンクリートの上に座り込み、震えていた。

 唇は痛々しいほど青ざめ、肩には雪が積もっている。まるで瀕死の野良犬のような姿だった。

「こんなところで一体何をしてるの?」凍てつく風から身を守るように腕を組み、私は彼を問い詰めた。

 彼は顔を上げた。歯の根が合わず、ガチガチと音を立てている。そして、弱々しく哀れな笑みを無理やり浮かべた。

「会いたくて」彼はかすれた声で言った。

「ただ……君が元気にしてるか、確かめたくて」

「私は会いたくない」

 室内に一歩下がり、ドアを勢いよく閉める。

 そのままベッドに入った。彼が凍え死のうが知ったことではなかった。

 午前三時、救急車...

ログインして続きを読む