第3章

 その日の午後の残りは、私の執務室にこもって過ごした。

 報道の中継車はまだ下にいた。場所も同じ、カメラも同じ。何かが落ちてくるのを待ち構えるみたいに、全てがビルを見上げていた。

 私は窓辺に立ち、しばらくそれを眺めた。

 それから笑った――短く、静かに。ほとんど自分自身に対して。

 今日から、私はただの経営者だ。

 デスクの電話を取り、総務部長にかけた。

「明日の朝九時。全社集会、大会議室。産休給付の件について、結論を発表する」

 向こうで一拍置かれる。「……折れるんですか?」

「いいえ」

 私は下の撮影クルーを見下ろした。

「連中には、この件の代償を払ってもらう時だ」

 翌朝八時五十分には、会議室は満員だった。

 全社集会というより、試合前の円陣みたいな空気だった。ペトラが最前列、中央の席に陣取り、あとで別の用事でもあるみたいな格好をしていた。周りに群がった連中に何か話していて、何を言っているのかは分からないが、皆がうなずいている。

「人数が多すぎるもの。あの人に何もできない。今日はまともな答えが出るわ」

 ペトラの隣にはデラがいて、脚を組み、机の上にスマホを画面を上にして置いていた。二日前は、ペトラの後ろで床を見つめて立っていたのに。今は録画準備万端といった顔だった。

 その後ろの列は静かだった。ほかの皆は、ただ見物しに来た。

 九時。私は入室した。

 部屋の前に進み、彼らを見渡す――満足げな顔、期待に満ちた顔、そして何が起きるのか待っているだけの顔が少し。

 私は頭を下げた。

 儀礼的な会釈ではない。深く、意図を込めたお辞儀だ。

「まず、謝罪させてください」

 室内がざわめいた。まばらな拍手が起き、すぐに大きくなる。「やっとだ」と誰かが言った。ペトラはスマホを持ち上げて写真を撮り、喜びを隠しきれていなかった。

 私は顔を上げた。

「私は、十分な説明もないまま、きわめて個人的な決断に介入しました。皆さんの身体のこと、回復のこと、家族のこと。善意のつもりでしたが、尋ねもしませんでした。選択があるべきところに圧力を生んでしまった。申し訳ありません」

 拍手がさらに大きくなる。

 私は、それが収まるのを待った。

「皆さんが自分で決める権利を尊重し、そして昨夜、幹部と協議した結果、次の変更を本日より即時適用します」

 私は間を置いた。

 部屋が静まり返る。全員がわずかに身を乗り出した。

「第一。弊社は産後ケアセンターとの提携を全面的に終了します。付随するサービス――産後の回復支援、各種クラス、授乳のサポート、妊娠に関する各種特典――は、本日をもって終了です」

 部屋が騒然となった。

 ペトラが立ち上がり、隣の人間の腕をつかむ。三列目から歓声が上がった。本当に抱き合う者までいる。デラは一度スマホを置き、拍手した。

 勝った。彼らはそう思ったのだ。

 私は続けた。

「第二。補償として、対象となる従業員に対し、会社はマタニティ支援手当を新設します」

 ざわめきが落ちた。全員が再び私を見て、金額を待った。

「一人あたり月150ドルです」

 沈黙。

 ペトラのスマホが机から滑り落ちた。鈍い音を立てて床に当たったのに、彼女は拾おうともしなかった。

「……失礼、何ですって?」

「150ドルです」と私は言った。「月額で。条件を満たす従業員に」

「セラフィン・アルコット」彼女の声が奇妙なところへ落ちた。「残りのお金は? センターの予算は、今後どこへ行くの? あなたのポケット?」

「何の予算ですか?」

「提携の。プログラム全部。全部――」

「契約は私名義でした」と私は言った。「会社名義ではありません。センターの通常料金と、従業員が支払っていた金額の差額は、私個人の口座から補填していました。会社の会計を通していません。もともと会社の金じゃないんですから、帳簿に載るはずもありません」

 私は言葉を置いた。

「その金は私のものです。私は、この使い方をやめると決めました。何か問題でも?」

 誰も何も言わなかった。

 彼らは二日間、産後ケアセンターを会社の資産だと思い込んでいた――予算の中にあり、組織のもの、だから自分たちのものだと。議論して、配分し直せるものだと。

 再配分するものなど何もないとは、誰も考えもしなかった。彼らが使っていたのは権利ではなく、個人的な贈与だったのに。

「嘘よ」ペトラの声が鋭く跳ね上がる。「そんなのあり得ない。でっち上げだわ」

「好きに思えばいい」

 私は扉のほうへ向き直った。そこで足を止める。

「もう一つだけ。厚意として」

「コンラッド・ラファティのチームが昨日、正式に連絡してきました。この状況が解決するまで、我々との提携を一時停止したいと。取締役会は昨夜開かれました。私は二十四時間以内に、運営コストを三割削減する計画を提示しなければなりません」

 会議室にいる人々の表情が、一人、また一人と変わっていく。

 私は扉へ歩いた。背後で誰かが泣き出した。続いて、友好的とは言えない声でペトラの名が呼ばれるのが聞こえた。

 私が扉を押し開けるころには、彼らはもう互いを責め始めていた。

 振り返らなかった。

「解雇リストは明日の朝、皆さんの受信箱に届きます」

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