第111章 永遠の贖罪

「ごめんなさい……林田唯月に謝ります。薫、怒ってるのは分かってる、だから……お願い、怖がらせないで……お腹が……子どもが……すごく痛いの……」

椎名伴凪の顔は涙でぐしゃぐしゃだった。雨に叩かれて、髪も服も泥まみれ。矢吹薫のほうも、熱に浮かされたみたいに荒い息を吐き、全身がひどくみすぼらしい。

以前なら――「子ども」と口にしただけで、矢吹薫は必ず心を揺らした。

けれど今回は違った。

雨の幕の向こう、矢吹薫の瞳にあったのは冷え切った光と、露骨な嫌悪。

まるで、自分が人目に晒せない汚物だと言わんばかりの目だった。

椎名伴凪の胸が、すとんと冷えた。

もう何も考えられない。彼女は林田唯月...

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