第113章 結婚招待状

林田唯月が別荘に戻ると、テーブルの上に一通の招待状が置かれていた。

江口未黒が彼女の背後につき、目つきがすっと鋭くなる。

執事が頭を下げて報告する。

「矢吹社長が椎名嬢とご結婚なさるそうで……こちらが先方から届いた招待状でございます」

矢吹薫は封を切って一瞥し、そのままテーブルへ放り投げた。

「今後、あっちからの招待状は一切受け取るな」

林田唯月はそれを拾い上げる。赤と黒を基調に金箔が施された、やけに目立つ意匠。そこには二人の名が並んでいた。

その名前を見つめた瞬間、胸の奥に酸っぱい痛みが広がる。

同時に、顔が浮かんだ。――トラックが迫ったあの一瞬。矢吹薫が誰かを抱きかかえ、...

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