第120章 私が手伝うよ

その場にいた全員が、息を呑んだ。

椎名樹が真っ先に林田唯月へ身を乗り出す。

「……やっぱり本当に、あの人の元奥さんだったんだ。じゃあ、なんで『もう亡くなった』って噂が流れてたの?」

マッキーは最後の一口を飲み下しながら、現実感のなさに眩暈すら覚えた。

さっきまで「元妻って誰だよ」と陰で言っていたのに、次の瞬間、その“元妻”が目の前にいる。

そりゃ気になる。

「だよな、つきさん。どういうことなんだ?」

江口未黒が、代わりに淡々と説明する。

「当時、二人の間で揉めてさ。唯月が向こうで事故に遭った。後の手続きの都合もあって、矢吹薫には『もう死んだ』と思わせたんだ」

その言葉に、数...

ログインして続きを読む