第122章 久しぶりだな

翌日の夕暮れ。

林田唯月は、再び見慣れた国へ戻ってきた。

サングラスをかけ、片手でスーツケースを引きながら、何ひとつ変わらない空港を見渡す。胸の奥に、久しぶりに帰ってきたのだという妙な懐かしさがじわりと滲んだ。

江口未黒がさっと歩み寄り、彼女の手から荷物を受け取る。

「今も俺は医者だ。唯月、医師の指示に従え。重いものは持つな」

林田唯月は笑って返した。

「これくらい持てるよ。そんなにヤワじゃない」

そう言いながら、彼女はスマホに視線を落とす。坂東勇はまだ姿を見せていない。けれど三十分前には『空港に着いた』と連絡が来ていた。なら、今どこに――。

焦れて電話をかけようとした、その...

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