第127章 冗談を言う

矢吹薫は唇の端をわずかに吊り上げ、どこか誇らしげに言った。

「俺も、ここまでのサプライズが来るとは思わなかった」

その横で、秘書が社長の得意げな様子を見て、思わず小声でぼやく。

「奥様があそこまで強くなったのって、社長から離れるためでしょう? なのに、なんでそんなに嬉しそうなんですか」

矢吹薫は聞き逃さず、鋭い視線を一閃させた。

「秘書を辞めたいなら、アフリカ支援に回してやる」

秘書は青ざめて両手を振る。

「それは勘弁してください、矢吹社長。ちょっと言ってみただけです。冗談ですよ」

矢吹薫は顔を冷やし、淡々と返した。

「俺も冗談だ」

――いや、その冗談は笑えません。

秘...

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