第128章 変事

こちらの後始末が片づいた頃には、太田志子はすでに連行されていた。

店長は顔面蒼白のまま、びくびくしながら言う。

「林田先生……よろしければ、当店のジュエリーをご案内いたしましょうか」

「全部、私がデザインしたものよ。私が『見て回る』必要があると思う?」

林田唯月は淡々と続けた。

「今日は通達に来ただけ。金庫の『オーシャン』を、ジュエリーオークションに出して。来週、私も参加するから」

林田唯月は各店舗に、自然の要素を冠した『店の看板』を一つずつ設計している。『オーシャン』は、その一つだった。

店長は額の汗を乱暴に拭い、声を震わせた。

「そ、それを競売に……? では当店は……」

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