第142章 彼女を愛している

江口未黒はきっぱりと言い切った。

「唯月のせいじゃない。俺は唯月が好きだ。俺がやってきたことは全部、自分の意思でやった」

その言葉が落ちた瞬間――。

呆然としたのは結城玉姫だけじゃない。休憩室の中にいた林田唯月まで、頬がかっと熱くなるのを感じた。

江口未黒の告白は何度も聞いてきた。けれど、先輩が他人の前で、あんなふうに言い切ると……胸の奥がむず痒くて、少しだけ恥ずかしい。

結城玉姫は信じられないという顔で、ふらりと数歩後ずさった。

「……今、なんて言ったの? 林田唯月が好き? じゃあ私は? 私は何なの! 子どもの頃に婚約までしたじゃない。あの頃、あなたも私のこと――」

江口未黒...

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