第144章 古い知り合い

林田唯月がゆっくりと二人の前まで歩み寄り、コツン、とテーブルを叩いた。視線が一斉に集まる。

椎名伴凪はもともと苛立っていた。林田唯月が生きている――その事実だけで、どう始末をつけるべきか頭を抱えているのに、今さら誰が火に油を注ぎに来たというのか。

「こちら、しばらくお料理はいりません。悪いけど下がって」

顔も上げず、吐き捨てる。

それでも相手は動かない。伴凪は苛立ちを爆発させた。

「日本語わかんないの? 消えろって言って――」

言葉が喉で凍りついた。

顔を上げた瞬間、そこにあったのは林田唯月の顔。身体が勝手に反応し、筋肉が強張る。血の気が引き、顔色が死人みたいに青ざめた。

「...

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