第145章 病人を見舞う

林田唯月の視線が、その場にいる連中をぐるりと一周なぞった。

「私が謝るべきだって思うの? 頭のいい人がいるなら、1年半前の矢吹グループの婚約パーティーの記事でも見てきたら」

ざわつきはすぐに萎み、代わりに「当時の件」を掘り返す声が広がっていく。

林田唯月は椎名伴凪を指さした。

「跪きなよ。反省するって言ったでしょ?」

椎名伴凪の睫毛がかすかに震え、縁に溜まっていた涙が、すっと頬を伝って落ちた。

唇を噛みしめ、屈辱を顔に浮かべながら――彼女はゆっくり、膝を折る。

だが、最後の瞬間。

結城玉姫が伴凪の手を掴んで引き止めた。

「何してるの? こんな女に頭を下げる必要なんてないだろ...

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