第17章 君の背中に立つよ

林田唯月はスマホを握る手がまだ震えていて、耳に入ってくる言葉のどれもが、もう意味を成さなかった。

裁判所を出るなり、彼女は門の外で慌ててタクシーを拾い、病院へ向かう。

車内では、無数の思考が脳内を渦巻いていた。

――これはきっと、矢吹薫の報復だ。

間違いない。

なんて馬鹿なんだろう。あんなやり方で矢吹薫を刺激して。

忘れていたのか。あの男は本気で牙を剥けば、人の命さえ平然と奪いにくる。

病院に着くと、林田唯月はまっすぐに江口未黒の病室へ駆け込んだ。

清風と月光みたいな人だったはずの先輩が、今は病衣姿で、真っ白な顔のままベッドに横たわっている。

腕はギプスで固められ、点滴のチ...

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