第21章 誤りを認めれば

矢吹薫はしばらく考え込み、椎名伴凪の言い分を黙って受け入れた。

「林田唯月に教訓を与えるだけでいい……伴凪、やり過ぎるな。あいつは、結局――俺の妻なんだ」

椎名伴凪の瞳の奥に、怨みと嫉妬が一瞬だけ走る。だがすぐに、従順で気遣い深い笑みへと戻った。

「分かってる、薫。私のせいで、あなたたちの間に溝ができたんだもの。私だって……二人に仲直りしてほしいよ」

……

法廷。

椎名伴凪と矢吹薫は原告席に並んで座っていた。

向かい側、被告席にいる林田唯月はひとりきりだった。隣に立つ者も、背中を支える者もいない。その姿は、あまりに心細い。

――それなのに。

原告席で、夫と不倫相手が腕を組ん...

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