第46章 チップ

ちょうどそのとき、ドアの向こうからコンコンとノックの音がして、二人の動きが途切れた。

椎名伴凪は扉の前に立ち、室内の気配を探るように耳を澄ませる。

「薫……中、どうなってるの? みんなゲームの続き待ってるんだけど。もう3時間以上だよ? まだ終わらないの?」

林田唯月は顔を手で覆ったまま、全身の力が抜けきって起き上がれない。

ベッド脇に放ってあったスマホがぶるぶると震えた。通話を繋いだ瞬間、受話口から結城羽の焦った声が飛び込んでくる。

「ハニー、どこ行ったの? ほんとに上の階にいるの?」

矢吹薫があっさり唯月のスマホを取り上げた。

「俺とベッドの上」

あまりにも直球な一言に、結...

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