第84章 ギャンブルの末路

太田恵美は、もう完全に追い詰められていた。

物音に顔を上げた彼女は、呆然としたまま視線を彷徨わせ――次の瞬間、幽霊でも見たみたいに叫んだ。

「……あんた! 林田唯月! なんでここにいるのよ! 来ないで! 消えろ!」

太田恵美が後ずさる方向へ、林田唯月は一歩、また一歩と近づいていく。淡々と、同じ言葉を繰り返した。

「言ったでしょう……助けてあげるって」

林田唯月は彼女の前にしゃがみ込み、肩にそっと手を置く。乱れた髪を優しく整えながら、囁くように言った。

「太田恵美。あなたの命と、娘の命……どっちが大事?」

太田恵美の瞳の奥が、揺れに揺れる。

最初は――母親として、ちゃんとしてい...

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