第89章 お前が犯人だ

林田唯月が顔を上げると、矢吹薫の背に隠れるように立っていた椎名伴凪と、ちょうど目が合った。

椎名伴凪は唇の端をつり上げる。得意げで、嘲りが滲む笑み。

林田唯月は新聞を握る手にぐっと力を込めた。――やっぱり。全部、こいつの筋書きだ。

結城羽が報道記事に目を走らせ、声を荒らげる。

「どこに唯月の名前が出てるの? 矢吹薫、何を根拠に唯月を疑うわけ? 私だって言えるよ。これ、椎名伴凪が自分で流したんじゃないの!」

椎名伴凪の表情が一瞬だけ歪む。すぐに矢吹薫の袖を引き、顔色を真っ青にして、庇護を求める蔓みたいに男に絡みついた。

「私……本当に、お姉ちゃんはもう私を狙わないんだって思ってたの...

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