第100章 投資だと思っておこう

浅見朝治は、二人の絡み合った手を食い入るように見つめていた。怒りで胸が焼ける一方で、心の底から――ひどく卑怯で、密かな期待がふっと湧き上がる。

彼は、何を期待している?

玉井彩歌が今すぐ日野弦羽の手を振りほどき、距離を取ってくれること?

――だって、これまではそうだった。

浅見家に嫁いでからの玉井彩歌は、家の中だけを見て生きてきた。よそ見なんて一度もしない。昔の友人とも連絡を絶って、世界を狭めて、夫である自分の周囲だけに収まっていた。

なのに今、彼女の手を引いて連れ去ろうとしているのは男だ。

玉井彩歌が、そんな男についていくはずがない。

浅見朝治はそう信じた。信じたかった。

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