第118章 辞退

浅見朝治は胸の奥がひやりとした。小さくうなずき、「……分かった」とだけ返す。

書斎には重い沈黙が落ち、母子は向かい合った。

宇野章華は一通の書類を彼の前へ滑らせた。

「まず、これを見て」

「これは……」

浅見朝治は薬物の検査報告書に目を落とし、眉を寄せる。

「今日、玉井彩歌から電話があってね。木下さんから奪い取ったものだって。木下さんが安に飲ませようとしてたらしいの」

宇野章華の声が硬くなる。

「専門機関に急ぎで回した。これは子どもに飲ませる薬じゃない。副作用の欄に、発熱の反復――高熱が何度も出るって、はっきり書いてある」

報告書をつまむ浅見朝治の指に、知らず力がこもった。...

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