第120章 出て行け

日野弦羽の仕事は早かった。三十分もしないうちに、答えを掴んでくる。

玉井彩歌を自分の執務室へ通すと、彼は調べた資料をそのまま手渡した。

「安に薬を盛ったのは木下秀花。昨日、浅見家から解雇されてる。木下が持ってた薬は牧野晴から渡されたものだ」

彩歌は目をわずかに見開く。

「でも木下秀花って、浅見家の古株じゃ……どうして? 浅見家はあの人に、悪くしてなかったはず」

「息子がやらかした。揉み消すのに六百万必要だったらしい。牧野晴は、成功したら一千万払うって約束した」

耳を疑った。

一千万――それだけで、人は道徳の底を抜けるのか。

一千万――それだけで、子どもの命を買えるのか。

彩...

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