第121章 あなたは僕のことがとても嫌いみたいだ

牧野新はもともと人当たりのいい笑みを浮かべていた。だが、玉井彩歌の冷え切った反応を目にした瞬間、その笑みが顔の上で固まる。

困惑したまま、ためらいがちに彩歌をもう二度、三度と見た。

――嫌われている。間違いなく。

そう確信したところで、牧野新は堪えきれずに口を開いた。

「玉井嬢……僕に、何かご不快な点でも?」

その言葉に、彩歌の胸の奥で冷たい笑いがこぼれる。

不快な点?

――笑わせないで。

いま彼女は、牧野晴を殺してやりたいほど憎んでいる。

その兄である牧野新に、まともな顔を向けられるはずがなかった。

彩歌は唇をきゅっと結んだまま答えない。眉間は深く寄り、目には露骨な嫌悪...

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