第14章 まさかここに来たのか

一万メートルの上空。雲海のさらに上。

日野弦羽は操縦桿を安定して握り、機体を滑らかに飛ばしていた。そのとき、不意にヘッドセットの向こうから聞き覚えのある声が流れ込んでくる。

「B-3471、こちら運航管理センター。最新の気象レーダーによれば、航路前方およそ80海里に強い対流雲群が発達中です。直ちに針路を右へ15度修正し、代替ルートZ12の使用を推奨します」

日野弦羽は、ほとんど一瞬でその声の主に気づいた。

玉井彩歌だ。

林田教授が以前、運航管理センターに最近かなり優秀なオペレーション担当が入ったと話していた。まさか、それが彼女だったとは。

浅見エアロスペースを辞めて、こちらへ移っ...

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